お手伝いの効用
最近は子どもに家事を手伝わせる家庭がぐっと減っているようです。
理由を聞くと、子どもに家事を手伝わせるなんてかわいそう、とか、勉強や習い事で忙しい、という意見が多いようです。
でもお手伝いの効用を考えると、それはとんでもない間違いです。子どもにお手伝いをさせないことが本当にかわいそうなことなのです。
先日、ある会社の社長さんとお話をする機会がありました。社長さんはもう30年くらい前から会社を経営されているのですが、最近の社員の仕事の飲み込みの鈍さを嘆いておられました。原因は「家庭で大切に育てられてきたため、お手伝いなども家でしたことがないから」だとおっしゃっています。
子どもの時から家の手伝いをしたことがないから、社会人になっても仕事の効率や段取りが悪い、とのこと。昔の社員なら1を伝えれば10を理解する、というのが当たり前だったのに、今の若い社員は10を伝えてやっと1を理解する、という状況らしいです。
家庭でのお手伝いには、まず仕事をすすめる段取り力を養う効果があります。
社長がおっしゃるように、子どもの頃から家庭で日常的にお手伝いをやってきた子、そうでない子には、社会人になってから使い物になる、ならないくらいの差が生じてしまいます。
また、誰かの役に立つ喜びは、子どもの意欲や向上心を培います。
ご承知のように、どんなに塾に通って勉強しても、あるいはどんな習い事をしても、そもそも意欲や向上心が乏しければ勉強も習い事も身に付きません。
子どもが成長しさまざまなことを吸収していくうえで、意欲や向上心はとても重要なファクターなのです。
子どもにやらせると、かえって面倒とか危なっかしい、からという理由でやらせない親もいます。でも心配するのは最初だけ。小さな成功を褒め、やっているうちにうまくできるようになり、それが自信になり、意欲がわいてくるのです。
お手伝いの効用のまとめ
- 子どもに家のお手伝いをさせることは、子どもの意欲や自信、仕事をすすめる段取り力等を養うすばらしい効果があります。さらに親子のコミュニケーションや子どもの生活力アップにもプラス
- お手伝いには、子どもの自立心を養うという効果もあります。
- 受験で成功する子どもは「自立した子」とよく言われますが、何も受験だけでなく、自立心はその後の人生において、すばらしい成果を納めるのに必要不可欠な素養といえます。