双子育児~出会いに感謝~

双子の妊娠がわかったのは、最初に病院へ行った時でした。嬉しい気持ちも束の間、インターネットで双子の情報を調べたり、助産師の姉の話を聞いたりするうちに、双子の妊娠・出産・育児のリスクや苦労を知ることになり、不安な気持ちが大きくなっていきました。

幸いなことに、妊娠中も経過は順調で、32週から切迫早産で入院になったものの、36週に経腟分娩で出産をし、生後6日で母子ともに退院することができました。

双子の育児は想像以上に大変なものでした。それまで、人に頼ることやお願いすることが苦手だった私も、周りの人の助けなしでは、まだ首のすわらない双子のお世話をしたり家事をしたりすることができません。
それでも、母親である自分がやらなければいけないことは多く、一日が24時間では足りないと感じるほどでした。「朝から顔を洗っていなかった!」「パジャマのまま一日過ごしていた!」なんて日もたくさんありました。

秋に生まれた双子が、少しずつ外出できるようになってきたのは、春になってからでした。ちょっとした近所の散歩も、とても新鮮でわくわくしたことを覚えています。

その頃から、一番近くにある支援センターに時々行くようになりました。先生方はいつも温かく迎えてくれました。一緒に子どもたちの成長を喜んでくれたり、話を聞いてくれたら、気持ち的にもすごく支えられました。

生後9カ月の頃、支援センターの予定表で『双子ちゃんの日』という欄を見つけました。そこで初めて、自分と同じく双子を育てるお母さん達と出会いました。話をするうちに、「大変なのは自分だけじゃないんだ」と少しホッとした気持ちになりました。それ以降、毎月双子のお母さん達に会えることが、私の楽しみのひとつになりました。

双子が1歳を過ぎたころ、今住んでいる住所に引っ越しをしました。昔からの住宅街で、年配の方が多い地域です。近所に同年代と知り合いがおらず、公園で遊んでいてもいつも貸し切り状態。でも、

「双子?大変でしょう?」「男の子と女の子なんて、珍しいね~」「私も双子なの」

ベビーカーで近所を散歩していると声をかけられない日はありません。よちよち歩きの双子と雪遊びをしていると「窓から見ていて危なそうだったから!」と家から飛び出して来てくれたこともありました。「何か手伝えることがあったら言ってね。」と言ってくれる方もいます。

この秋、我が家の双子は2歳になりました。振り返ってみると、本当にたくさんの人に支えられた2年間でした。子ども達のおかげで、たくさんの出会いがありました。“出会いに感謝“という言葉をよく耳にしますが、本当にその通りだなと感じます。

もう2歳…?まだ2歳…?まだまだ育児は始まったばかりかもしれません。子ども達がもう少し大きくなったら話してあげよう。

お母さんはたくさんの人に助けてもらったこと、君たちの成長を楽しみにしてくれている人が周りにいることを。

 By 双子の母

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